<今月の温泉> 2000.10〜12
10月はどこにも行くことが出来ませんでした(泣)
そこで、2日ほどフライングですが、千葉の鵜原(うばら)温泉を紹介します。鵜原温泉は外房の中程、勝浦のすぐ下にあります。
付近は鵜原理想郷と呼ばれる、千葉には珍しいリアス式の海岸のある、景勝地です。断崖絶壁の上になだらかな緑の丘の広がる、眺望絶佳な場所です。
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一軒宿の鵜原館はその付け根の部分、勝場漁港を見下ろす高台に建っていました。
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鵜原館へ向かう道も”隧道”という言葉がぴったりの狭いトンネルを抜けて行く、日常世界から切り離されてような宿です。
宿には男女別の展望風呂と洞窟風呂、トンネル風呂、そして別館には露天風呂があります。
洞窟風呂とトンネル風呂は時間によって男女が切り替わりますので、泊まれば両方のお風呂に入ることが出来ます。露天風呂は貸し切りが基本なのかな?入れなかったので良く判りません。
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まずは展望風呂。
その名の通り、鵜原館の一番高い場所にあり、大きな窓からは勝場漁港を見下ろすことが出来、その向うに太平洋を望むことが出来ます。
特に朝風呂は朝日を一杯に浴びての入浴で、とても気持ち良かった〜!
湯は少し褐色の食塩泉で良く暖まります。
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次は洞窟風呂です。
展望風呂の向かい側ににじり口のような背の低い扉があり、そこが入口になっています。
脱衣場も2方が岩の壁で洞窟の中ということが実感出来ます。
そして浴室は大岩を刳り貫いた中に造られていて、洞窟風呂というよりは岩窟風呂?
威圧されそう。
閉所恐怖症の人にはツライかもしれませんね。
戦時中、回天の基地が近くにあり、この洞窟風呂は当時飲料水を確保するために掘られたものだそうです。
(記憶が定かではないので間違っているかも(^_^;))聞こえる音は流れる湯の音だけ。とても静かなお風呂です。
天窓から僅かに見える空を眺めながら、洞窟の底にあるような湯船に浸かっていると、まるで地球そのものに抱かれているような気分になって来ました。最後に紹介するのがトンネル風呂です。
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トンネル風呂は、本館のある建物から渡り廊下を通って白壁造りの脱衣所へと行きます。更に脱衣所から階段を下り、細いトンネルを通り抜けると・・・
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鵜原海岸を望むお風呂がありました。
どうやら尾根の地下を通り、反対側へと抜けたようです。
ここもトンネル側は岩穴の中のようですが、海側は窓が大きく取られているため、圧迫感はありません。
窓からは真っ蒼な海や白い砂浜を見ることが出来、いい眺めです。
海からの風が気持ちいい!
旅館の建物から尾根を挟んだ反対側にある(”字”も違うらしい)ので、とても静かです。
東京近郊でこんな秘湯気分が味わえるとは!お湯も展望風呂と源泉が違うようで、こちらは透明?
でも良く暖まるお風呂でした。
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さすが漁港に近いだけあります!夕食は地の魚のお料理がたくさん並び、どれも新鮮で美味しかったです!
東京からわずか2時間ほどで、こんな隠れ湯に巡り合うとは思いませんでした。
また暇が出来たら泊りに来よう!そんな気にさせてくれる旅館です。
温泉データ
宿情報
鵜原館 〒299-5243 千葉県勝浦市鵜原998 Tel: 0470-76-0521交通: JR外房線鵜原駅から徒歩10分日帰入浴: 不可(昼食とのセットでなら可) ※要確認
付近のみどころ
宿の周囲は与謝野晶子や三島由紀夫が歌や小説の舞台にした鵜原理想郷が広がり、なだらかな丘の風景と断崖絶壁の景勝地。
勝浦側へ徒歩10分ほどで海中展望台で知られる勝浦海中公園や海のことが身近に判る海の博物館などがある。
11月の温泉は「草津のなおし湯」で知られる、群馬県中之条町の沢渡(さわたり)温泉に行って来ました。温泉データ沢渡温泉は中之条町から四万(しま)温泉に向う道を左に折れ、暮坂峠への途中にある、湯治場として栄えた古い温泉です。
柔らかな温泉のお湯が、草津の強烈な湯で荒れた肌を癒す湯として、草津の「なおし湯」・「仕上げ湯」として多くの湯客が訪れてきたそうです。
現在もバスがやっと通れるくらいの細い道の両側に旅館やお土産屋さんが軒を連ねています。
しかし、歓楽的な所は全く無く、静かに静養するにはぴったり?
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沢渡温泉中心から少し下った所には共同浴場があります。入浴料は200円ですが、沢渡の旅館の宿泊者は旅館の浴衣を着ていくと無料になるようです。
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浴室内には3m×1m位と2.5m×1m位の二つの細長い浴槽がありました。
両方とも温度は高めでしたが、大きい浴槽方が少し温度が低く入りやすいかな。
でも外は雪が降りそうな寒さでしたので、この熱さがありがたかったです。浴槽の底には若草色の大谷石(?)が敷き詰められていて、見た目にもゆったりした気持ちになります。
湯は無色透明な綺麗なサラサラしたお湯で、若干白い湯の花が舞っていました。
古くから「一浴玉の肌」の湯と言われるだけはあります。女性に人気があるのも納得です。塩ビパイプの湯口は風情がありませんが、新しい湯がどんどん流れ込んでいるのがいいですね!
溢れた湯は底の穴からサイフォン式に洗い場に流れるようになっていて、お湯が清潔に保たれる仕組みになっているようです。う〜ん、気持ちいい!
飲泉も出来るらしく、カップが置いてあります。飲んでみると薄い塩味?殆ど味はありませんでした。
今晩の宿はこの共同浴場の隣にある、沢渡温泉開湯からの老舗旅館「湯元 まるほん旅館」です。
ここのお風呂が素晴らしい!
旅館の建物を出て、木製の廊下を通って、浴室の扉を開けると、広々した浴舎内の空間に浮いたような通路と下り階段が目に入ります。
この通路が実は橋になっていて、浴槽はこの橋の両側に並んであるという、変わった構造になっています。階段を降り切るとT字に突き当たって、Tの横棒の両端が脱衣場所になっています。
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脱衣場所自体が浴室内にある様なもので、仕切りも男女の別も無い、オープンな混浴風呂なので、女性には入りにくいかもしれませんね。しかし、女性専用タイムが設けられているので、その時間に是非入ってみてください。
もちろん女性専用のお風呂は別にあるのですが、かなり狭いですので、大浴場の方をお薦めします。
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さて、この大浴場ですが、総檜張りの立派な浴室で、階段を降りて左側にL字形、右側に角のカットされた長方形(縦長の八角形)の浴槽があります。左の浴槽には石臼の、右の浴槽には枡形の木の蒸し器?から湯が注がれていて、風情があります。
こちらも共同浴場と同じく、浴槽の底には緑の石が敷き詰められています。
それが檜の浴室にマッチして、風情を増しているように思いました。
流れ込む湯量の差か、右の浴槽の方が温度が低く、私にはちょうど良く感じられました。
でも朝風呂は、左の浴槽に燦々と朝陽が差し込んで気持ち良かった〜
ちょうど階段の真下が源泉の湧き出し口なのでしょうか?四角く切り取られた穴の底で、ごぼごぼとお湯が湧き出しています。
元々周囲が静かな環境に加え、浴舎が旅館と別棟なので、とても静かです。
聞こえるのは湯の音と風の音、そして鳥の声。窓が高い位置にあるので、眺めは効きませんが、高い木の天井を眺めながらお湯に浸かっていると明治の頃に逆戻りしたような気分になって来ます。
時間を忘れてのんびり・・・そんなお風呂でした。
この旅館の宿泊システムは変わっていて、部屋のランクと料理のランクを別々に選べるようになっています。
予約時に聞かれるのですが、良く判らなかったので、無難に真ん中のランクでお願いしました。![]()
特に変わった食材はありませんでしたが、さすが老舗旅館、味付けは文句なし!
鯉の洗いが全然泥臭くなくて美味しかった〜
静かな山里の名湯、こんな言葉がぴったりな温泉でした。
宿情報
まるほん旅館 〒377-0541 群馬県 吾妻郡中之条町上沢渡 甲2301 Tel: 0279-66-2011交通: JR吾妻線中之条駅から沢渡行きバス沢渡温泉下車徒歩2分日帰入浴: 700円(11:00〜16:00)
付近のみどころ
沢渡から草津へ向かう旧街道には、歌人・若山牧水が愛した紅葉の名所暮坂峠があり、その頂上には牧水の像 と詩碑が当時を慕ばせてくれる。
暮坂峠を抜け、六合村から国道405号を進んで行くと標高1514mに位置する高山植物の宝庫、野反湖がある。
20世紀最後の温泉旅行は、長野の志賀高原の入口に位置する、上林(かんばやし)温泉に行って来ました。温泉データ上林温泉は、湯田中・渋温泉と広がる山ノ内温泉郷の一つで、標高800m程の高台に数軒の宿が並ぶだけの静かな温泉地です。
明治34年(1901年)の開湯より、多くの文人・墨客が訪れ、その雰囲気を今も残しています。泊まったのは上林温泉の中では老舗旅館のひとつで、明治35年創業の塵表閣(じんぴょうかく)です。
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夏目漱石や与謝野晶子などの文人・歌人が多く訪れた宿だそうで、その足跡を残す展示館「円実(つぶらみ)」が館内に併設されていました。重厚な瓦屋根の門に掛けられた大きな暖簾をくぐって入ると、展示館の円実があり、その奥に旅館の玄関がありました。
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玄関を入ると畳敷きのロビーで、それも座布団が火鉢の周りにぽんと並べられただけのロビーらしからぬロビーです。帳場も書箪笥(?)を置いてあるだけなので、ロビーというよりどこかの家の広間に通されたような感じです。なんかほっとします。部屋は玄関のある建物に2部屋、別棟に同じく2部屋づつに離れとお客同士があまり顔を合わせずに過ごせるように配慮されています。静かに過ごせそう。
泊まった部屋は「廣業」という、画家の寺崎廣業の名前を取った部屋でした。
部屋に置かれた大きなこたつの中で、浴衣が暖められていたり、中々細かな心遣いがされているのは、さすが老舗旅館というところですね。
早速、お風呂に行ってみましょう!
浴舎は中庭に独立してあります。
玄関からは渡り廊下を通って行くのですが、途中温泉の湧く小さな池とお休み処も合って、お風呂への期待が高まります。![]()
女性は紅、男性は深緑に染め抜かれた「ゆ」の暖簾をくぐってそれぞれの脱衣所に入ると、まず目に入るのはお風呂場の案内図。
ほぉ〜〜こうなっているのか?
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内湯は男湯は「石風呂」、女湯は「檜風呂」で湯船の材質は違いますが、同形同大のようです。熱目の透明なお湯がどんどん溢れ出ていて、気持ち良い!
壁や天井は木目も鮮やかな木板貼りで、心もゆったりしてきそう。
内湯の外には露天風呂があるのですが、変わった配置をしています。
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まず、内湯の突き当たりの扉を出ると男女別の露天風呂があります。ところが男女の内湯の間に半露天の「岩屋風呂」があって、これは男女どちらからも入ることの出来る混浴です。
その岩屋風呂が各々の露天風呂に繋がっているという・・・廻遊式露天風呂でしょうか?
繋がっているとはいえ、男女の露天風呂の間には、大岩がでーんと仕切りをしているので、ブラインドになっていますので、安心ですね。
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また露天風呂の一角には大人が3人は楽々入れそうな大きな木の桶が男女それぞれ一つづつ置かれていて、「泡桶風呂」という名前の通り、ジャグジーになっています。はぁ〜疲れが取れる〜
中庭にあるので、眺めは効きませんが、ほっとするお風呂でした。
お湯も水を混ぜず、湯量で温度調整をしているのだとか。まさに源泉そのままで、良く効きそうです。難を言えば、隣にリゾートマンションが建っていることでしょうか?
あれがなければもっと風情があったのに・・・(^_^;)食事は別棟のお食事処「雪花亭」で戴きます。
一グループごとに別々の部屋での懐石料理でした。
吟味された材料を手を掛けたお料理で、さすがは老舗旅館だけのことはあります。
ヤマメのソバ味噌焼きや長野牛のしゃぶしゃぶ等、とっても美味しかったです!一品一品運ばれる形式のため、写真をお見せ出来ないのは残念。
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その代わり、朝食の写真を載せました。
お重で出される朝食もこれまた美味しかったです。
希望すると温泉粥も食べることが出来ます。
是非食べてみて下さい。
料金は安くないですが、それに見合う上質な旅館でした。
宿情報
塵表閣 〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町上林温泉 Tel: 0269-33-3151交通: 長野電鉄湯田中駅より渋・上林温泉行きバス上林温泉下車すぐ日帰入浴: 不可
付近のみどころ
上林温泉バス停の前には志賀高原ゆかりの150人もの文化人の作品を集めた志賀山文庫が、温泉街(?)の上手には温泉熱を利用し世界のベゴニア四百種を集めたベゴニアガーデンがある。
そして横湯川沿いの落葉松林を30分ほど歩くと、温泉に入る猿で知られた地獄谷野猿公苑(http://www.avis.ne.jp/~yaenkoen/) がある。